1. 乳児が咳き込む・むせるのは珍しくない
赤ちゃんが突然「ケホッ、ケホッ」と咳き込んだり、むせたりすると、親としてとても心配になりますよね。
しかし、生後まもない乳児期は 気道の発達がまだ未熟 であり、少しの刺激でも咳き込むことがあります。
多くの場合は一時的なもので、深刻な病気ではないことがほとんどです。
2. 主な原因
乳児が咳き込む・むせる原因には、次のようなものがあります。
- 母乳やミルクが気道に入りかけた 飲み込む力がまだ弱く、少しのタイミングずれでむせやすくなります。
- 唾液が喉にたまる 生後2〜3か月頃から唾液の分泌が増え、寝ている間に喉へ流れ込むことでむせることもあります。
- 鼻水が喉に流れる(後鼻漏) 風邪気味や乾燥したときなど、鼻水が気道に落ちてむせることがあります。
- 室内の乾燥・埃 空気が乾燥していたり、空気中の微細な埃が気道を刺激して咳き込むこともあります。
3. 寝ている時にむせる理由
「寝ている時に突然むせて起きる」というケースもよくあります。
これは、
- 唾液や鼻水が喉に流れ込む
- 仰向け姿勢で気道が狭くなるといった要因が関係しています。
とくに 新生児〜生後3か月頃までは喉の構造が狭く、少しの刺激で反射的にむせます。
寝ているときにむせた場合は、体を少し横向きにしてあげると気道が確保しやすくなります。
4. ゲップ後にむせる理由
授乳後のゲップのあとにむせるのもよくあることです。
その理由は以下の通りです。
- ゲップと一緒にミルクが逆流した 胃の入り口の筋肉(噴門)がまだ発達していないため、少しの圧力でミルクが戻りやすくなります。
- 勢いよくゲップが出た 空気と一緒にミルクの粒が喉に飛び、むせることがあります。
ゲップのあとに少し吐き戻しがある場合でも、機嫌がよければ大きな問題ではありません。
体を立てたまましばらく抱っこして様子を見るようにしましょう。
5. 自宅でできる対策
① 授乳時の姿勢を見直す
赤ちゃんの頭を心持ち高くして、 斜め上を向く角度(30〜45度) に調整します。
飲み込みやすくなり、むせにくくなります。
② 授乳後はしばらく縦抱き
授乳後すぐに寝かせると逆流しやすくなるため、5〜10分ほど縦抱きにしてから寝かせましょう。
③ 部屋の湿度を保つ
乾燥は喉を刺激しやすいため、加湿器で 湿度50〜60% を目安に保つとよいです。
④ 鼻づまりをケア
鼻水が喉に流れないよう、ベビー用の鼻吸い器や温かいタオルで鼻周りをやさしく温めてあげましょう。
⑤ ベッドの角度を少し調整
寝ているときにむせやすい場合、タオルなどを背中の下に入れて、 頭を少し高く(5〜10度程度) するとラクになることがあります。
6. 受診を考えるべきサイン
次のような場合は小児科の受診をおすすめします。
- 咳やむせが1日中続く
- ミルクを飲むたびにむせる・吐く
- 呼吸が苦しそう、ゼーゼー音がする
- 顔色が悪くなる、唇が紫っぽい
- 発熱や鼻水、元気がない
特に「呼吸が苦しい」「チアノーゼ(青白い顔)」がある場合は、すぐに受診してください。
7. まとめ
赤ちゃんの咳き込みやむせは、ほとんどの場合 気道が未発達なために起こる生理的な反応 です。
しかし、繰り返したり、苦しそうにしている場合は注意が必要です。
我が家の子も、生後1〜2か月の頃は夜中によくむせて目を覚ましていました。
授乳後に少し縦抱きするようにしてからは、むせる回数がぐっと減りました。
焦らずに観察しながら、赤ちゃんが安心して眠れる環境を整えてあげましょう。
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