赤ちゃんを縦抱きしているとき、ふと「脚が開きすぎていないかな?」と不安になることはありませんか?特に新生児期は関節が柔らかく、股関節脱臼(先天性股関節脱臼)を心配する親御さんも多いと思います。
この記事では、赤ちゃんの脚の自然な開き方の目安・脱臼の原因・対策・チェックポイントをまとめました。
新生児・乳児の脚の可動域の目安
生まれたばかりの赤ちゃんは、関節がとても柔らかく、自然と「M字」に近い形になります。
仰向けに寝かせたときに両膝が軽く外向きで、股関節が自然に曲がっている状態が理想的です。
縦抱きのときに注意したいのは、
- 両脚が無理にまっすぐ伸びていないか
- 股の部分がきゅっと締め付けられていないか
- 一方の脚だけ極端に開いている・閉じていることはないか
といった点です。
一般的に、太ももが体の中心線から左右45〜60度ずつ(合計90〜120度)程度開いている範囲であれば問題ないとされています。
股関節脱臼とは?原因と起こりやすい状況
股関節脱臼とは、太ももの骨(大腿骨)が骨盤のくぼみ(寛骨臼)から外れてしまう状態のことです。
特に女の子に多く見られますが、男の子でも注意が必要です。
主な原因
- 脚を伸ばしすぎる抱き方
- 縦抱きで脚がまっすぐ下に垂れた状態が続くと、関節に負担がかかります。
- おくるみやスワドルの巻き方
- 脚を伸ばしたままきつく巻くと、股関節の可動域が制限されてしまいます。
- 発達上の要因
- もともと関節のはまりが浅い(先天的要因)場合もあります。
縦抱きのときの正しい姿勢
縦抱きが悪いわけではありません。ポイントは「M字開脚」の姿勢を意識することです。
理想的な姿勢
- 赤ちゃんのお尻が少し下がり、膝が高い位置にある(M字)
- 両膝が左右に自然に開いている
- 赤ちゃんの体が親の体に密着している
抱っこ紐を使う場合も、「股関節がM字型に保たれるデザイン(ヒップシートやエルゴなど)」を選ぶと安心です。
「International Hip Dysplasia Institute(国際股関節異形成協会)」が認定している商品を選ぶのもおすすめです。
脱臼しているかもしれないサイン
もし以下のような様子が見られる場合は、早めに小児科や整形外科で相談しましょう。
- 一方の脚が開きにくい
- おむつ替えのとき、片足だけ動きが悪い
- 股関節のしわの高さが左右で違う
- 脚を動かすときに**「コキッ」という音がする**
- 足の長さが左右で違う
これらが見られる場合、発育性股関節形成不全の可能性もあるため、医師の診断が大切です。
日常でできる予防・対策
- 脚をまっすぐに縛らない
- おくるみは「腕を包んで脚は自由」にしてあげる。
- 抱っこ紐の調整を確認
- 股が無理に開かれていないか・ぶら下がるような姿勢になっていないかをチェック。
- 脚を動かす時間を作る
- おむつ替えや遊びの時間に、脚を軽く動かして関節をやわらかく保つ。
- 定期健診を受ける
- 1か月健診・3〜4か月健診では股関節のチェックが行われます。気になる点は必ず相談しましょう。
まとめ
赤ちゃんの脚は柔らかく、少しくらいの開きであれば自然な範囲です。
大切なのは、「無理に伸ばさない・きつく縛らない」こと。
縦抱きのときもM字姿勢を意識し、左右の動きやしわの高さを時々チェックしてあげましょう。
赤ちゃんの脚の開き方には個人差があります。少しでも違和感を覚えたら、迷わず専門医に相談することが安心につながります。
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